「さて、夜までまだありますがどうしましょう」

『あたしはおなかが空いたんにゃん』

「なんだお前ら、腹が減ってたのか?」

声の方向を見ると、さっきしっぽを掴んだ子供がいた。

『おや、さっきのワンパク坊主かんにゃん』

「ふん、しょうがねぇなぁー
 母ちゃんにはオレから言ってやるから、ウチでメシ食わせてやってもいいぞ」

その子は10歳位の男の子で、布をマントの様にしていて拾った様な棒を手に持ってる「典型的な田舎の子供」という感じだ。
さっきの子供達の中ではリーダー核なのだろうな、ちょっとツンが入ってる辺りとか。

「ちょっと待ってろよ、今母ちゃんに聞いてくるからさ」

そう言うと、男の子はどっかへ走って行った。

『ほぇ、あの子は何なんだんにゃん?』

「わたし達にご馳走してくれる気でいるようですね」

『おぉーッ!田舎の子供にしては気がきくんだんにゃん』

少しするとさっきの子が走って戻ってきた。

「母ちゃんがいいってさ!付いて来いよ」

『およ?いいのかんにゃん?』

「あぁ、母ちゃんがいっぱいご馳走してくれるってさ
 お前らホントにラッキーだったな」

「ありがとうございます」

へぇー、クリーダってこんな小さな子供にも礼儀正しいんだね。

あたし達はドラド村で、親切なワンパク坊主に出会った。