予定通り、日が傾く前にドラド村へ到着しそうだよ。

『あれがドラド村かんにゃん?』

「多分そうですね
 荷馬車のお陰で早く到着する事が出来ました、ありがとうございます」

『なんの、役に立てて良かったんにゃん』

クリーダは礼儀正しいナァ。
あたしはふと、クリーダに最初に出合った時の事を思い出した。
そういえば、クリーダって凄い音出して床踏んでた時も口調変わらなかったんだよね。
この人は取り乱して怒ったりする事もあるのかな?
人間だし、そりゃあるんだろうけどさ。

あたし達はここまで何事もなく村に到着した。

村に着いたらまず、組合からの書類を依頼者に見せ、開始承諾のサインをもらわないといけないらしい。
前にそれをせず事後に書類を出した人がいて、「勝手にやったんならサインしないよ、組合の依頼も取り下げるから」とか言われてゴタゴタした事があってかららしいけど。

『依頼主はやっぱり村長さんんにゃん?』

「みたいですね」

あたしはこの荷馬車を引く木馬に興味を引いて、周りに集まっている子供達に聞く事にした。

『村長さんはどこんにゃん?』

「なんだコイツ!?変な喋り方してっぞー?」
「何て言った?」
「村長んにゃんだってさ」