あたしはついに魔戦士組合に入った。
正直言うとちょっと信じられないんだ、まさかこのあたしが魔戦士組合に入ってるなんて。
と思いつつ、組合員の印を見つめニンマリとするあたしがいる。

組合員の印は、剣と盾を合わせたシルエットの上に、魔法を現す6角の星をそえた形をしている。
魔法の6角はトゲトゲの部分が精霊の火土雷氷水風に相当したそれぞれの色になっていて、その中央は6精霊の根本属性である光と闇という対極な属性が色でちゃんと表現されている。
簡単に言うと6種類いる精霊は、光か闇のどっちかに分けられるって事。

ここまで来たらついでなので説明しておこう、光属性なのが火と風と雷の精霊で、闇属性なのが氷・水・土の精霊なのだ。
もし、将来魔法を扱おうと思っているなら暗記してしまった方がいい、魔法学校の入学テストに絶対出るからな。
本当はもっといっぱい属性はあるんだけど、それは教科書を見て学んでくれたまえ。

さて、あたしとクリーダの初仕事の出発まで後2日ある。
その間に出発の準備を整えなきゃいけないんだけど、あたしにはその他にもしなきゃいけない事があるんだ。

それは何かと言うとだな。

この仕事をはじめるにあたり、あたしは今後新しい自分になろうと思ってる。
何とかデビューみたいだけど、そうでもしないとやってけないと思うんだ。

まずは話し方を変えてみよう、それに服装も髪型も変えないといけない。
小細工魔法のモーションにも工夫が必要かな、ホントはモーションなんか全く必要ないんだけど。
ただ、エイヤッ!とやるだけじゃ華がない。

あぁもぉ、2日なんてアッという間だったよッ!
出発の日になってしまった。

とにかく髪もナチュラルカールにしたし、凛々しさと優しさを兼ね備える感じのローブも新調して、早速組合員の印も付けた。
思った通り、新しいローブに輝く組合員の印はとってもいい感じだ。
でも話し方だけがまだ決まってないんだよ。

『さーて、どんなもんしょぉー』

考えあぐねていると、仰向けに寝転んでいるあたしに飼いネコのダイヤが乗って嬉しそうに足踏みをした。

『いだッ…いだだだッ!』

ピンポイントに加重のかかるネコの足踏み、これが実はちょっと痛いのだ。