細長い物体の先端を辿って行くと、そこにはやはり元が何だかわからない様なものがあった。

「そうか?
 コレは元から何だかわからなかった程の作りだった気がするぞ」

《…欲…して…》

何だかわからないものは、なおも言葉を発していた様だ。

『いません!』

わたしはプラズマで細長い物体の全てを消去した。

「結局このウナはなんだったんだ?
 ラスボスにしては本当にどうでもいい感じだったけど」

ルビーの言う「ウナ」とは川魚のウナギの事だ。
わたしは前に行った街に、ウナギの美味しいお店があったのを思い出した。

『探し物が見つかったら食べにいきましょうか』

「そうだなッ!やっぱ仕事の後はウナだよなッ!!」

「ウナだよなッ!!…じゃねェェェーッ!!!」

という大声がして、わたし達の立っていた地面が持ち上がりわたし達は尻餅をついた。

「うぉっ!何もねぇや…
 ずいぶんまぁ、、派手にやってくれたものだなぁ」

その声はわたしのすぐ横から聞こえた。
わたしとルビーはラピスの両肩に乗せられていたのだった。

「ふわぁーッ!無傷だよッ!
 ラピスってやっぱり伝説の勇者さまだったんだなぁ」

『もしかしたら無意識のうちに手加減したのかもしれません』

「この…あくまで負けを認めない負けん気の強さと来たら…」

「あ…」

ラピスは思い出した様な声を出し、わたし達を肩から下ろした。

「オレは…取り返しの付かない事をしてしまったんだな」

「ふむ」

ルビーはその様子を、少し離れた所にしゃがみ眺めはじめた。