ラピスは布を千切って、わたしの腕を縛って止血しようとした。
だが、その縛った先にまで出血が現れ始めた。

「だめだ!このままじゃ出血が全身に回るぞ!」

『切ってください』

「なッ!?」

『もし今切らなければ、わたしは出血多量で死ぬでしょう
 そんな死に方はしたくありません』

「ヨシッ!準備はしたぞーッ!」

ルビーがテーブルに布を敷いて準備してくれていた。

「ルビーは躊躇すらない様だな
 って、やっぱ…オレが切るのか…」

ラピスは気がすすまな様だ。

『お願いします』

わたしはテーブルに左腕を置き、布を丸めて噛んだ。

「いくぞッ!」

そして、ラピスは一気に剣を振り下ろすと「ゴンッ」と言う音して出血で血だらけになった腕が転がった。

『うぐ…』

わたしは、激しい激痛に声をもらした。

「大丈夫か?」

ラピスは心配そうに声をかけ、手早く止血してくれていた。

わたし達は、かつてマトラ旧市街へ向かった数百名の者達が、ここでどういう末路を迎えたのかを今理解した。