あたし達はお風呂から出て少し街をぶらりとしていた。

夕方に近づいた街は活気にあふれている、夕食の買出しの客が多いせいだろう。
目的もなくぶらりとしてるあたし達は、そんな人々がハチの様に店から店へと行き交う様子を眺めながら歩いている。
夕食は6時ちょっと過ぎ位の予定だから、少し腹ごなしをするつもりなんだ。


『あたし…、ヘリオに悪いことしちゃったんにゃん』

やっぱりクリーダの言う通りだ、ヘリオに提供してもらう事は多分彼の未来を不幸にしてしまうだろう。
それにあたしも二度と会わないと言うのは少し気分的にひっかかるんだ。
恋愛対象じゃなくてもせっかく知り合った人と二度と会ってはいけないって言われると流石に気になるもんだよ。
そう、これはそういう類のひっかかりなんだよ。

「ヘリオさんも子供じゃないんです、自分の考えに責任を持って生きているはずなのですから、あなたは全く気に悩む必要はないですよ」

『んー…そりゃそうだろうけど』

「それより、随分と男性の体に興味がある様でしたけど、
 わたしはその事の方が心配です」

『へ?』

「あなたが男性に目覚めてしまうのではないかとハラハラしていました」

『いんやぁ、あれはただの興味本位というもので
 ヘリオは恋愛対象とは違うんだんにゃん』

「では、あなたにとってヘリオさんはどういう存在ですか?」

『存在?なんだろー?何か面白い友達?かんにゃん?』

「(ほっ・・)お友達なら、なお更ジロジロ見るのはどうかと思いますよ」

『うぅむ、言われてみればそうだんにゃん』