『うーん、そっかぁ』

「もし、ヘリオさんから提供を受けるとしたら、産むのはわたしの方がいいでしょう
 あなたに強い好意を寄せているヘリオさんは、その気持ちを抑えられるかわかりませんし…それに」

『それに?』

「提供を受けると言う事は、か…関係を持つ必要もありますから
 わたしにはそれをとても容認出来る気がしません…」

『わかった、あたしももっとよく考えるべきだったんにゃん』

「でも、ちゃんと考えてくれていて凄く嬉しいです」

そして、クリーダはまたキスをしてくれた。
のぼせたのが大分おさまってきた頃、あたしの足元の方向からドアが開く音がした。


「あ…!」

あれ?クリーダの顔を見上げていたら何だか驚いた表情をしているぞ?誰か入って来たみたいだけど、誰を見て驚いてるんだろ?
あたしはヒョッコリと起き上がってドアの開く音のした方向を見てみた、そこに見たものは見たことある顔だったよ。

『なんだ、ヘリオかんにゃん』

そして、あたしはまたクリーダの膝枕の状態に戻った。でも、すぐにヘリオがここに居る不自然さに気が付いてもう1度起き上がって確認したんだ。
間違いなくそこに居たのはヘリオだった、あたしが想像した通り細身で整った筋肉の付いた体をしていたよ。
だけどそこに居るヘリオは何も言わず、そして微動だもせずまるで石になったかの様にあたしをじっと見つめていたんだ。