ヘリオの力強い腕と大きな胸板があたしに触れ、その体温が徐々に伝わって来た。
どうしてだろう、あたしの意思と関係なく体から徐々に力が抜けてゆくんだ。
一体あたしの体はどうなってるんだ、ここでこの流れのままにヘリオを受け入れる訳には行かないのに。

そう思ってるのに、あたしの手が勝手にヘリオの背中に手を回してるんだ。ヘリオとは昨日会ったばっかで別に好きでもないのに、どうしてなんだか全然分かんないよ。あたし、どっかおかしいのかな?
あたしがヘリオの背中に手を回した事で、彼はあたしが受け入れたと思った様だ。さっきより強くひしっと抱きしめて来たよ。

あぁ、違うんだ・・・でも何て心地が良いんだろう・・・・もぉどうしたら・・誰か助けてよ・・。
精神と体が何かを引っ張り合って戦っている、頭では受け入れてないのに体が勝手に求めてるんだ。
既にあたしは自力で立つ事が出来なくなって、ヘリオに支えられている状態になっていた。


─その時

あたしの口からあの誓いの言葉が突然発せられたんだ。

『あたしは今後、クリーダ・ヴァナディンと、一生の人生全てを共有する事を誓います
 身も心も魂までの全てを共有する事を誓います』

すると、ヘリオはその誓いの言葉に驚いた様に、あたしを抱きしめるのを突然やめたんだ。
あたしはヘリオの両手から滑り落ち、そのまま地面にペタンと座った。


誓いの言葉…それはあたしとクリーダにとって、とても大事な言葉のはずなんだ。