声が止んで髪を優しく撫でられてる、声の主はきっとクリーダだろう。素材探しから戻って来たんだね。
髪を撫でられるのは大好きだ。まどろみの状態で髪を撫でられ、何とも言えない至福の幸せを感じていた。
少しずつ意識がはっきりして来た所で、あたしは髪を撫でてくれたお礼に横に寝そべってるクリーダをぎゅーっとしてあげた。

あれ?クリーダってこんなに体が硬かったっけ?それにやたら大きいぞ!?

『はてな?』

想定外の感触にあたしが目を開けると、目の前に居たのはまさかのヘリオだったんだ。
何でヘリオが横に居てあたしの髪を撫でてたんだ?あたしは目が覚めた直後で事の状況を把握出来ずにいた。

「お前って意外に積極的なんだな」

若干ニヤた顔でヘリオが言う。あぁ、多分あたしがギューっとした事について言ってるんだな。半分夢うつつだったから現実なのか夢なのかがハッキリしなかった。

『はれ?』

「オレもお返しをのぎゅーをしてやろう」

『わぁッ!?ヘリオみたいなのがいる!』

「みたいなのって何だよ、本物だっつーの!
 ほらぎゅーってしてやる、遠慮しなくていいぞ」

『ぎゅー要りません!ぎゅー要りません!さっきのは間違えたんです!』

「んあ?間違えたって一体何を間違ったんだろうな」

『だ、誰って…そんなのヘリオには関係ないんにゃんッ!』

「いや、関係あるね
 だってオレお前気に入っちゃったし」

気に入ったという曖昧な言葉は困るんだ。クリーダも最初に使ってたけど、どっかの粋なおじさんが「ヨシッ!お前さん気に入ったからオマケしといてやるよ!」って、みんなに言ってる社交辞令トークが先行してしまう。

『あ、急にめまいが…おやすみなさい』

「コラ寝るなッ!
 見つけたんだよ、鉄のある場所をさ」

あたしは鉄を見つけたと言う言葉に反応して目を見開いた。

『ホントに!?』

そしてあたしはピョンと飛び起きた。