その時頭上でボコッっと言う鈍い音がした。

「はぐぁ!?」

そして、ヘリオは間抜けな声を上げて地面に倒れてしまったよ。
どうやらクリーダがヘリオに石を投げつけたらしい。今回の勝者はクリーダと言う事になるのかな?


「全く…油断も隙もないですね」

「ふぅー、参った参った」

降参のポーズをしているヘリオの横で、クリーダが腰に手をあてて怒ってる。


『わからないんにゃん』

「ん?なにが?」

あたしはヘリオが悉く地面の情報とは違う位置に居た事と、最後にヘリオを見失った事が不思議でならなかった。だからその理由をヘリオに聞いてみたんだ。


「あー、位置をずらしたのは目の錯覚を利用したんだ
 まだ動いてないって錯覚をさせて、実は移動してたら当然位置がずれるだろ?」

『あたしは地面からの情報も使ってたんだ、
 目の錯覚だけじゃあんなにはズレないと思うんにゃん』

「そんなの、地面の情報を使ってるって分かれば簡単に騙せるだろ?」

『知ってたのかんにゃん!?』

「そりゃぁ、お前の反応の仕方とか見てれば分かるさ、
 目や耳だけじゃなく何か他の情報も使ってるなって
 それが地面という事ならお前の魔法の使い方でバレバレだ」

『そうだったんだ…
 じゃぁ、最後に見失ったのはなんでだんにゃん?』

「お前全然気が付いてないのか?」

ヘリオはビックリした様な顔であたしを見て言ったよ。


『ムカッ!わかんないから聞いてるんだんにゃんッ!』

「なら教えてやるさ、お前の地面レーダーな
 ごく至近距離はすっぽり抜けてるんだよ」

『あ…』

言われてみてやっと分かった、地面レーダーはあたしの足周辺にはかかってないんだ。
だってあたしの足までがレーダーにひっかかってたら、瞬間的には分かりにくいから除外してあったんだ。