あたし達がテントに戻るとヘリオがテントの前に立っていた。

「よぉ」

それは朝の騒動を全く気にしない屈託のない笑顔だったよ。

『おんや?ヘリオは何してるんにゃん?』

「剣の練習をしようって思って相手探してるんだけどさぁ、お前達暇なら相手してくれないか?」

『剣の相手ってあたし達剣使わないんにゃん』

「あぁ、それで構わない」

『でもさぁ…そんな剣が当たったら死んじゃうんにゃん』

「ちゃんと止めるから心配するな」

『うーん、どうする?』

あたしは後ろに居るクリーダに回答を求めた。


「わたしならお相手します、
 ただしわたしは止めませんがそれでもいいですか?」

「それでいい、じゃぁ街の外まで乗っけてってくれないか?あの乗り物お前達のだろ?」

ヘリオとあたし達は、街の外の適当な広場になっている所を見つけると乗り物から降りた。
今思い出したんだけど、あたしって戦闘経験って殆どないんだったっけ。
小細工魔法を戦闘にどう使えばいいかは大体分かるけど、ファイター相手にどんな風に戦えばいいのかはよく分からない。


『一人っつかんにゃん?』

「ん?二人でかかって来ていいぞ」

「ずいぶんと自信があるんですね」

『なに、それだけ今回の仕事は生半可な気持ちじゃ出来ないって事だ
 とりあえず順番に行こうか』