薄暗くなった窓の外を見ると、飼い猫のダイヤがふて腐れた顔で顔を上げて見ていた。


『ダイヤー、居たんだごめーん』

窓を開けるとダイヤが跳ねて飛び込んできた。


「その猫、ダイヤって言うんですか、雪みたいに真っ白ですね」

『うん、白くて綺麗だったからそう名付けたんだ
 他に牛乳っていう候補もあって悩んだけど』

「ぎゅ、牛乳ですか‥
 ダイヤにして良かったと思います」

『そぉ?褒められてよかったねー、ダイヤ』

ダイヤは何日も家を空けたのに全く痩せてない所を見ると、どっかで何かしらは食べてるんだろうな。
餌をねだる様子もなくベッドの上に乗って、嬉しそうにゴロゴロ喉を鳴らして足踏み運動してる。


『あんたはいつもどこで食べてるんだろうね』

「わたしが撫でても平気でしょうか?」

『うん、全然警戒してないし平気だと思うよ
 よかった、クリーダも猫が好きなんだーッ!』

「えぇ、小さい頃に飼ってましたよ」

クリーダは猫慣れした手つきでダイヤを撫で、ダイヤも嬉しそうに擦り寄ってた。なるほど、猫好きな人は猫には分かるんだ。
それにしても、クリーダの小さい頃ってどんな子だったんだろ。やっぱり丁寧な言葉を話す子だったんだろうか。
ちょっと興味あるな。

クリーダがやって来たおかげで、少し華やかになった様な気がした。