クリーダとあたしは今日から一緒に住む事になった。

あたしの住んでる家は中途半端に余ってて、誰も家を建てない様なちんまりした空き地を借りて、そこに色んな素材を寄せ集めて建てた一部屋しかない小さな家。
小さいけど色々と手はかけててね、外見はちょっとおいしそうなスイーツに見える。何度も作っては分解しを繰り返して作った自信作だよ。

でも、この家は一人用に作られてるから、クリーダの荷物を収納出来る余裕がないんだ。なので取り急ぎ収納スペースをごそっと増築してみた。こういう時って小細工魔法が使えて本当に良かったと思う。
片側の壁一面を全て収納にした事で、クリーダの荷物をキッチリ収める事が出来たよ。
もちろん、あの遠眼鏡っぽいガラクタもちゃんと引越しされて来たんだ、でももう使う事なんてあるのかな?
そしてクリーダの表札をくっつけてハイ出来上がり。

この家は入り口入ってすぐに小さなキッチンや洗い場などがあって、そのまま奥に進むと1つしかない部屋になる。
部屋は片側が窓以外は全て収納で、反対側の壁にベッドが設置されてる。
ベッドが部屋の半分近くを占領してる所に、クリーダの椅子とテーブルを持ち込んだから通路程度しか隙間がなくなってはいるけどね。

片付けが一段落して部屋着に着替えたクリーダは、ベッドに腰掛けてるあたしの前に椅子を置いて座った。


「今日からお世話になります、よろしくお願いします」

『こちらこそよろしく、その…狭くてごめんね』

「いえ、この位の方がわたしは落ち着きます」

『ここは今日からクリーダの家だから全部好きにしてね』

そう言ったらクリーダがベッドを見つめたよ、これだけは2つも入んないからクリーダには置いて来てもらったけどちょっと考えないといけないな。