魔戦士組合の掲示板には、多種多様な依頼が寄せられていた。

依頼は難易度別に分かれていて、難易度Sを筆頭に、A~Dと言った感じで左から右へとずらりと並べられている。
あたしは何となく難易度Sの掲示板を見ていた。流石は最高峰だけに凄そうな依頼がいっぱいだ。

例えば、魔軍との抗争への参加ってのがあるけど、依頼してる地域と対立している魔物勢力との抗争と言うか戦争に、傭兵として期間を決めて参加するって事。
で、魔軍って言うのはあたしたち人間と常に対立してる別の種族。
世界のあっちこっちでその対立は起こっていて、聞いた話によると国そのものが魔軍に滅ぼされたりと言う事も実際あるらしい。
マトラ周辺は人間の勢力が強いから魔軍は大して攻めてきてないけど、世界はマトラだけじゃないからね。

他にもちょっとスケールが大きそうな依頼が多い、近場だけど凄いのを見付けたよ。マトラ旧市街の開放って奴。
昔のマトラ王国の首都が化物に占拠されてるから全部倒してくれってさ。街全部とかスケールが大き過ぎるなー。


「いきなり難易度Sはちょっと危険じゃないですか?」

あたしの後ろにいたクリーダが声をかけてきた。

『だねぇー、どんなのかと思って見てたけどやっぱ凄いや』

「もう少し経験を積んでからならやってもいいですよ」

『いんやぁ…、クリーダならやれるだろうけど、あたしには無理だと思うよ』

「そんな事ないですよ、あなたは本当はとても強いです
 今はまだそれに気がついてないだけだと思います」


クリーダはそう言ってくれたけど、あたしが強いなんて本当なのかな?
クリーダはあたしが好きだから気を使って言ってくれてるのかもしれないけど、あたしはもう腐る事は辞めて新しい自分に生まれ変わるつもりだから本当なら嬉しいな。