ラピスはベッドだけでは足りずソファーを継ぎ足して大の字に寝転び、わたしは窓から外の景色を眺めていた。

「気が高ぶってるせいか時間の経つのがやけに遅いな」

『暫く寝てもいいですよ』

「そんじゃ一緒に寝るか」

『な…、なにを言ってるんです』

「あれ?違ったのか?
 一緒に寝るって言ったのかと思って合わせてやったのに」

『違いますッ!』

顔が熱い。
多分真っ赤になっているのだろう、それをラピスに見られたくないので正反対の方向を向けた。

「そういやさっきは悪かったな」

『さっき?』

「オレがプラズマとか言うの食らった後さ、腹蹴っちゃったんじゃないか?」

『あぁ、とっさにガードしましたから平気です』

「そうか、なら良かった
 女の腹は大事にしろって言うからな」

『そうですね、大事にします』

それは一見粗雑に見えるこの大男からは想像のつかない意外な言葉だった。
久しぶりにわたしは心から人に微笑んだ気がした。