ベイカの街に戻って来た次の日、目が覚めたのは既に太陽が真上に見える昼だった。

『め・・めむい』

自然に目が覚めたものの、まだ物凄く眠かった・・。
それと言うのも全ては例の罰のせいなんだけど、最近よく罰を受けるのは何故だろう。

ここは見慣れない部屋、シンプルで必要なもの以外殆どない部屋。それがクリーダの部屋だ。
あたしは昨日クリーダの部屋に泊まったんだ、もちろん来るのは今回が初めて。

この部屋にはアーチ型の窓があって、その前に小さなテーブルと椅子が置いてある。そしてテーブルの上には布がかけられた何かが乗っていた。
あたしはその窓から外を眺めてみた、見える景色は真っ直ぐ前が丁度道になっているんだな。
クリーダはここに座って外の景色を眺めていたんだろうね、テーブルの上の何かの布をめくったら小さなスタンドに設置された遠眼鏡が出てきたよ。
遠眼鏡を覗いてみたら予想通りだけど、丁度あたしの家がターゲットになっていたよ。
気持ちよさそうに日向ぼっこしてる飼い猫のダイヤまで見つけちゃった。

クリーダって1年もの間、ずっとここからあたしを見てたのかな?
あたしは遠眼鏡に布をかけ元通りに直した。

後ろを振り返るとベッドにまだ寝てるクリーダが見える。寝顔もやっぱり美しい。
こんな美しい人が、遠眼鏡でわざわざあたしなんかを見てたのって不思議だなぁ。
クリーダは今までどんな人生を歩んできたのかな、昔の事を聞いたら教えてくれるだろうか?