「あ、そうだおチビ」

帰りがけにシンナバーがあたしを呼んだ。


『んにゃん?』

「これ渡しとくね」

シンナバーが小さい袋をあたしに差し出した、袋の中を見るとコロコロとした白い玉がいくつも入ってる。


『これって何?』

「あたしの再生魔法を閉じ込めたカプセルだよ
 大好きな人はちゃんと守ってあげなきゃね」

『うん、ありがとうッ!』

「少なくなったら取りに来るんだよ
 料金はいつも通り、おチビの体でいいからねッ!」

「アハッ!あたしへのお土産も同じのでいいよー」

『あは・・は…』

本気なのか冗談なのか分かんないけど、そう言ってあの二人はまたいつもみたいに爆笑しながら帰って行ったんだ。
二人を見送った後、すっかり暗くなった星空の下、またあたしとクリーダだけになった。


「シンナバーさんともしましたね、顔が赤くなってたので分かりました」

『あ…え!?えぇッ!?』

「やっぱり…したんですか」

クリーダは両手を頭にあて、苦悩の表情をして身悶えた。
へー、クリーダってそんな動きもするんだ。あたしはそれがとてもかわいく見えたよ。


『だってね…スフェーンの興味ある事を知りたいからって
 あたしだって抵抗したけど麻痺の魔法かけられちゃって動けなかったんだもん…』

「正直に全部話して下さい」

クリーダは困った表情をして、あたしをじっと見つめた。
そんな顔されちゃ話すしか…。しょうがない、あたしは乗り物の中であった事を全てクリーダに話してあげたよ。


「わかりました
 シンナバーさんの想いはスフェーンさんに向けられたものですし許してあげます」

『ふぅー…よかったぁー』

「でも罰として…」

あたしはその罰として、クリーダと夜遅くまで仲良くする事になったんだ。