あたしとシンナバーは、乗り物から飛び出し地面に倒れた影に走り寄ったんだ。
そこには、仰向けに倒れたクリーダと、変わり果てた姿のスフェーンが居た。

「バカァァァァァァーーーーッ!!」

シンナバーは大声を出して駆け寄ると、スフェーンを抱きしめて泣いていた。

「ハハッ、泣くなよ…シンナバー」

「泣くに決まってるじゃないッ!いつも心配させて…うぅ」

「そうだったわね、ごめんね」

そう言ってスフェーンはシンナバーの髪を撫でてあげてた。

「シンナバーに教えてもらった、片手棍二刀流が…最後に役に立ったよ」

「うん、見てた…よくやったね」

「ねぇ、シンナバー
 あたしは勝ったのかな…それともこんなになっちゃったし、やっぱ負け…か…な」

その声は徐々にか細い声になって行った。スフェーンはこの戦いで体の半分を失ってしまっていたんだ。
あたしはクリーダの鼓動を耳で確認しながら、ずっと二人を見つめていたよ。




・・・・・


『クリーダ?』

「ここは…」

『気が付いた?ここは乗り物の中だよ
 大丈夫?寒くない?』

雨に濡れて冷えたクリーダの体を、あたしはずっと温めてあげていたんだ。

「大丈夫です、とても温かいです」

ニッコリと微笑むクリーダを、あたしはしっかりと抱きしめた。