暫くして、乗り物の中で息を整えてるあたし達は、仰向けに並んで手を繋いでた。


『シンナバーの味がする』

指を舐めて見せたあたしを見て、シンナバーが少し笑って言ったんだ


「えーーッ!?やっぱおチビって変態だよね」

ってね。

でも、シンナバーも舐めてくれたんだ。それを見て不思議と充実感が沸き起こったよ。


むくっと起き上がったあたしは、窓の外にとんでもない物を見つけた。
それはクリーダとスフェーンが歩いていった方向に出来た、得体の知れない真っ赤に光る大きな玉だ。


『な、何あれ…』

「さぁ…、あたしは見たことないよ、あんなの」

スフェーンじゃないって事はクリーダがやったのかな?

赤い玉は中心にどんどん光が集まって行き、それはやがて強烈な閃光をほとぼらせ大爆発を起こした。
あたし達の乗り物を衝撃波らしきものが通り過ぎて行き、地の底から響くような振動と、雷の様なけたたましい音が鳴り響いたよ。


『これってちょっとヤバイんじゃ…』

「行かなきゃ」

シンナバーは血相を変えて服を中途半端に纏うと、空高く立ち上った巨大な炎の柱に向かって乗り物を走らせた。