あたしは「スフェーンが興味を持ったものを知りたい」って言う、シンナバーのとばっちりを受けていた。


「なるほど、こんな感じなのか」

『うぅ…なんでこんな目にばっか遭うんだ』

「多分ねー、素質かな?
 おチビは男の子には全然モテないけど、オンナには妙にモテる特殊体質なんだよ」

『さりげなく酷い事言われた気がする』

「えー?じゃぁおチビは男の子と付き合った事あるの?」

『えーと、えーと』

「あたしが知ってる情報にはないから、この3年間の間になるけどさ」

『フッ…』

どうせね、あたしは遠くを見る目をするしかなかったさ。


「なしっと…メモメモ」

『メモるなッ!』

「まぁ、おチビって男の子の免疫が全然ないもんねー、ナボラの広場でドーナツ食べてた時もさ
 まさかの興味0?」

『そんなの、興味なくはないけど』

「バイか、守備範囲広いなぁ
 なら相手が振り向いてくれないジレンマも多少は分かるよね?」

男の子かぁ、そりゃー今まで好意を持った人なんていっぱいいたさ。
だけど、みんなあたしなんかを見る事なんてなかったよ。

それが、半年位前にたった一人だけ仲良くしてくれた人が居てね、食事とか誘ってくれたり「もしかして」とか思ったんだ。
結構いい雰囲気になってデートの約束までしてくれたのに、直前で「ごめん」とか言われて…アレは呆然としたな。
理由聞いたけど「命に関わる事」とか意味分からない事言って走ってっちゃった。
何かの組織に狙われててあたしに迷惑がかかるからとか、不死の伝染病とかアレコレ想像してたけど、たまに見かける限りはそんな感じはなかった。
でも、あたしを見つけると真っ青な顔して辺りをキョロキョロし出して、近付こうものなら凄い勢いでどっかに逃げて行くんだ。未だにその理由は謎。