スフェーンはケジメを付けると言って、クリーダと戦う事になったんだ。

二人はあたしとシンナバーを乗り物に残して、何もない平原のはるかへ消えて行ったよ。
一体何がどうなってるのかさっぱりだ、ケジメってどういう事なんだ。
あたしが関係してるのは分かってるけど、スフェーンはクリーダと戦って何が得られると言うんだろ。
それでケジメを付けられたとしたら、大手を振ってシンナバーと仲良くするって事?


全く…どっちがいやらしいんだか。


スフェーンの事はやっぱり今も嫌いだし、それは今後も変わる事はないと思う。
別に誰と何しようが全然かまわないけど、それに巻き込まれてるシンナバーはどう思ってるんだろう。


『シンナバーってスフェーンの事好き?』

シスドのドーナツをはむはむしてるシンナバーにそう問いかけたら、凄い慌てて食べてたドーナツを落としちゃった。
ドアを開けて横向いて腰掛けてるシンナバーの足元に、食べかけのドーナツがコロッと転がった。

「な…ッ!いきなりビックリさせないでよッ!」

『あ、ごめ…』


うわぁ…顔真っ赤だ。そんなに好きなんだー。


「あたしが勇気を出して告白したの見てたでしょ!?
 ここまで来るのにどれだけあたしが苦しんだか…
 おチビみたいに何もしなくても向こうから寄って来る人にはわかんないんだよッ!」

シンナバーは転がったドーナツをポンと蹴って飛ばしてた。

『・・・』

やっぱ複雑な心境なんだね。納得なんか出来てる訳ないよね。バカにされてる様に思えるよね。あたしシンナバーを傷付けちゃったかな。