あたしは教会の食事と言うものは、ひとかけらのパンとワインってものを想像していたんだけど。

『うひょーッ!?こ…これはーーーッ!?
 パンはパンでもこれは幻の名店ベローンのパンじゃないかァーーーッ!!』

「べろーん?何か変わった名前ね」

スフェーンはパンをクンクン匂いを嗅ぎ、大きな口ではぐっと頬張った。

「うわぁーッ!コレっておいしいじゃないッ!変な名前からは想像出来ない味だよな」

「アランスのお店ですよね、正確にはヴェーロンですが」

『そ、そうそうヴェーロンとも言うよね』

へぇー意外だなぁ。クリーダはこのパンの事を知ってたんだ、しかも訂正までしてくれちゃう程に。

「ほぉ、キミ達よく分かったね
 このパンは紛れもなくヴェーロンのパンだよ
 ただし、作られたのはこの教会だがね」

『と、いう事はもしかして』

「今後シスタードーナツの各店舗でも販売される予定なんだよ」

『なんとッ!発売されたら買います買いますッ!楽しみにしてますッ!』

晩餐に出されたのは、ベロ…ヴェーロンのパンと、ワインは新物のジョーボレー・ヌボー。
最近ナボラの教会は、アランスの教会同士親睦を深めているらしい。
アランスの名品をこちらで売り出すって事は、シスドのドーナツはあっちで売られる事になるのだろうか?
シスドをアランスの人達が食べるのかぁ、国際交流って素敵だなぁー。