スフェーンが天を指差すと怪物全体を包む程の紫色に輝く巨大な光の柱が発生し、少し遅れて音速を超えた印である衝撃波による轟きが鳴り響いた。

『ぎぇッ!?』

目の前に落ちた光の柱を中心に、激しい衝撃波があたし達にも直撃した。あたしはまんまと吹っ飛ばされて一回転してしまったよ。

「プラズマはあなただけの芸当だとでも思ってた?」

「お、驚きました!
 まさか天然の精霊魔法から、完全電離プラズマを高密度で作り出せる精霊魔法使いがいるなんて…
 これ程ならば2億度は確実でしょう」

「あはッ!あたしだって苦労したんだよー?炎系の魔法だけじゃ限界があるって知ってからはね
 それから色々と研究してたどり着いた結果がコレって訳
 あたしが本気を出したら、まだまだこんなもんじゃないんだからッ!」

「えぇ、その様ですね
 今は水と雷と風の魔法を同時に使っているのでしょうか?」

「へぇー、クリーダはさすがに詳しいなぁ
 その通りッ!風単体と水雷のセットね」

「水を電気分解などの工程を得て、重水素等と酸素を抽出して…」

さっぱり分からないので、あたしはこれ以上二人の会話を聞くのを辞めた。

1つだけ分かる事と言えば、クリーダが驚いたって事は、スフェーンって本当は凄い精霊魔法使いなんだって事。
それにしても、クリーダにしてもスフェーンにしても、魔法のスケールがあたしの常識とかけ離れ過ぎてる。
おかげで、こういうの見た後で小細工魔法使うと「あれ?」って、その地味さに落ち込むんだよね。
だからあたしは魔法を使う前にモーションを作ってるんだけどさ。

あたしももっと自分の魔法を研究しないといけないな。どう研究したらいいか分かんないけどしないといけないんだな。