あたしは両手で親指と人差し指を立てたものを作り、斜めに構えてポーズを作ると小細工魔法を発動させて怪物を取り押さえてみた。
怪物の足元の土などを使い、怪物がこれ以上前進出来ないように様にしっかりと結合させて固めてやったんだ。
とりあえずな感じで怪物の進行を止めれたみたいだけど、ずっとこうしてても退治は出来ない。次の手を考えないと。
困ったぞぉ、こんなのにコレが効くかどうかわからないけどやってみるか。

地面からタケノコの様に尖ったものを勢いよく伸ばし、怪物を串刺しにしてみた。
タケノコは怪物に「ぐにゃ」って感じで突き刺さったよ。
やっぱりなー、全く手応えがないや。流石生ゴミだ。

「おチビーッ!スフェーン無理やり連れて来たよッ!」

連れて来られたスフェーンは、足が地面に付いていない様にフワフワしていた。

「さぁスフェーンッ!本気出してゴーッ!」

スフェーンが両手を前にかざすと、その両手が赤く輝いた。その次の瞬間、怪物の上半身が激しい光を放って燃え出した。

『どう?やれるかな?』

「ダメ…、全然威力が出てないよ」

スフェーンがどれ程の魔法が使えるか正直あたしは知らない、だけどシンナバーの話では今のは全然ダメみたいだ。

「スフェーンッ!しっかりしてよッ!」

「もうあたしはダメなんら、いっその事死にたい…おチビたんに殺されて死にたい」

スフェーンは涙を流し、膝からガクッと崩れ落ちてしまった。

『スフェーン…』

その時、あたし達の後ろから聞いた事のある声がした。

「それじゃ、わたしがお手伝いしましょうか?」

あたし達の後ろから聞こえたその声の主は、あたしを見てほっぺを膨らませたんだ。