「っ!…ごめん!」 それだけ言い残して 香は部屋を出ていった。 「…んだよ」 香が出ていった 玄関を見つめて俺は呟く。 前は 俺に夢中で 『抱いて』 なんて言ったくせに。 「俺ばっかり 好きみてぇじゃん」 髪の毛を ぐしゃぐしゃと 無造作にかいた。 俺、 こんな 可愛い奴だったっけ? もしそうじゃないなら 香のせいだ。