「それより… すげぇな、充」 「ん?」 「有名ピアニスト なんてなかなかなれねぇよ」 俺はそう言って コップに入っていた チューハイを 一気に飲み干す。 横目で充を見ると 嬉しいのか 悲しいのか。 複雑な表情をしている。 「有名なんて 言われてるけど 大したことないよ」 「そうか? 俺らにしてみれば かなり自慢だけどな」 悠介はそう言ったあと 「ほら」と言って 充に雑誌を見せる。 そして あるページを見ていた。