「元極の神の名によりつかまった。これより天つ原にて問いの沙汰が下されよ。」

掌の中で闇を作り、コノハナノサクラビメの波動を消そうとしている。 「沙汰とは。」

「我に聞かずともわかっておろうが…。時に訪ねるがここに来てからしばしの間サクラビメの珠の波動を感じたのじゃが…。」

「何をそのような世迷い事を…。」

「なれば、そなたの掌の中を見せていただこう。」

黒月王神は、寸先の間に闇に隠しきった。
「これでもか…。」
うやうやしくてを差し出す。

「まあよいわ。いずれわかること。では、これにて。」

そういうと龍珠姫様は、背を向けて歩きながら言い去った。
「黒月王神よ、今宵の闇はまっこと手の闇の深きことよのう。」


着物軋む音と共に無敵な笑いが漏れては消えて行った…。


「邪鬼よ、事は急を要するぞ。」

「かしこまりました。」