やがて東より光の階を降りる龍球姫とその龍神。

丘の上に絶え絶えに動きもおぼつかぬ邪鬼が一人。


龍球より参りし我が名は球姫(タマヒメ)なる。
これは、黒月王神によるもなのか。


邪鬼は答えず空を見上げた。

その時何かを見つけた邪鬼は目を閉じた。


―そうか。観念するのだな。

「よしなれば、我が今からきさまを浄化し地上世界全てを元に戻し帰そう。」


そういうと龍球姫は印を結び式を召喚させると浄化を始めた。

一札で地上に結界を。
一札で地上に浄化を。
一札で地上に息吹きを。

元極の気を天つ原よりいただき御球により全て御返しいたし候。


ムスヒヒはいないが、全ては元にかえされた。


風が吹き、桜の花びらがまた時を始めた。