『そんな事、言わないよ。約束する』 掴んだ腕を緩めると佐川が言った。 『よし、じゃ行けよ。お前見てるとイライラする』 一斉に笑い声がした。 僕は何もされなかったことに安堵したがまだ怖くてたまらなかった。 『分かったよ、じゃあ』 走りだしたい気持ちを堪えてゆっくりと背を向け歩き出した。 良かった…。 何もされなかった。 明日もきっと大丈夫だ…。