あなたの大切なもの

ピンポーン――

あたしの気持ちとは正反対な、軽快な音が流れる。


『はーい。 どちら様?』


刹那の義母さんの声が、機会越しに聞こえた。

「あっ! あの、遠野といいます…」

そう答えた瞬間


ガチャ―――


…切られた。
がっくしと肩が落ちる。

もぉダメか…そりゃそうやでな…遅いよな…。



そう思い、来た道を元へ戻ろうと姿勢を変えた。
その時、後ろで声がした。


「遠野さん!」



振り向くと、刹那の義母さんがあたしの方を向いて笑っていた。