あなたの大切なもの

「はぁ? せんでええから!!」

純に反発するあたし。

「ひっど~! これでも元彼やのにぃ~」

「そんなん関係ないし! ええからかけてこんとって!」

「まぁいいけど~! どーせ百合の事やから、メアドも番号も前のまんまなんやろぉ? 俺の為に変えてくれたメアド♪」

「いいからどっか行って! あたしの視界から消えてよ!」

叫び声に似た声を出す。
刹那はその様子を、黙って見ていた。

「じゃ~ね~♪ ばいば~い」

ほんま嫌。
めっちゃ嫌。
消えて きえて キエテ

「遠野? 大丈夫?」

「な…にが?」

「震えてる」

「え?」

足がガクガクして手が震えてる。
刹那はあたしの事、分かってくれてる。
………刹那。