家に着くと、玄関には俺のではないローファーが無造作に転がっていた。 リビングの扉を開けると母さんが食卓に一つだけ置いてあるハンバーグにラップをかけている。 「あら、綾人おかえりなさい。遅かったわね。何してたの?今、冷蔵庫に貴方のお夕飯いれてしまおうとしてたところよ」 「……由紀は?」 テレビの前にも食卓にもソファにも、由紀の姿は見えない。 「2階にいるわよ」 それを聞くと俺はすぐ2階へ向かった。母さんが後ろから晩御飯を食べなさいと言っているが聞こえたけれど返事もせずに階段を昇った。