由紀の彼氏は、俺と同じ髪色をした素行の悪い男だった。気に食わないことがあると暴力で打ち勝つような奴で、どこにでも唾を吐くし、無免のくせにバイクを乗りまわし、クスリをやっているとも噂できいた。 最低野郎だった。 その最低野郎は、グループの中で由紀の次に俺を可愛がった。 バイクの後ろにも乗せてくれたし、飯を食いにいったら必ず奢ってくれた。よく俺の髪を捏ねくりまわしてボサボサにしては歯並びの悪い歯を剥き出しにして笑った。 俺はこの最低野郎を嫌いにはなれなかった。