あたしはアナタに…、


苗字で呼ばれたことが

…ない。




『お前』


『美緋』


どっちかだった。




いつかの電話で――…




「苗字よりは

お前のがいいかなー、」


「でもやっぱ…、名前!!」




そう言ったあたしに


『美緋』

って。


メールでだったけど

呼んでくれた。




その言葉は

今でもあたしの




…――胸の中に残ってる








-end-