碧唯と女の人は
お洒落なカフェに入った。
アタシたちも急いで後を追い
目立たない席で様子を見る。
「……」
誰なんだろう、
会話が全然聞こえない。
「まさか愛子がこんなに
夢中になるなんてね…」
早苗の呟きにも対応しきれず
アタシは碧唯たちを見る。
いっそ、このまま偶然を装って
2人の前に出て行ってみようか…
『あ、碧唯!?
どうしたのこんな所で』
『あぁ、偶然だね。
ちょっと話中…』
『あ…あぁ!!そっか、じゃあまたね!!』
…みたいな感じになりかねない。
碧唯はベラベラ話す人じゃないし
アタシだってそんな性格じゃない。
ましてや、女の人からしたら
『私、碧唯が好きなんです』
アピールに見えても仕方ない。
…はぁ、こんな気持ち初めてで
どうしたらいいのか分からないよ。