夜・廃工場前
約束どおり、早苗は一人でその場に降り立った。
「さて、どうしますかね・・」
月明かりもないこの宵。
人のいない廃工場は不気味な佇まいで存在していた。
結局、ベッドの上で考えようとしたら眠りに落ちて結論は出ずじまい。
行かないことも考えたが、早苗は家を出た。
──ここで終わらせられるかも知れない。答えは出なくとも、それはそれでチャンス。
『楽しみな』
碧の言葉がよみがえる。
──考えなくても何とかなるっ!よし!
早苗は顔をパシンと叩き、裏手へ向かった。
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