早苗はヒスイを睨み付けてから葵を見る。


「全然よくないですよ!登下校を一緒にだなんて、周りに誤解されたらどうするんですか、私もヒスイくんも一緒にを望みます!」

「だよなっ!な、里山」

「いいじゃない、別に彼氏彼女と思われたって。逆にそうしたら周りが二人で居ることを公認してくれるんだから好都合じゃない」


葵がさらっと言った言葉に二人とも青ざめた。


「「葵(さん)!」」

「ユウジ、いつから私を呼び捨てに出来るほどえらくなったん?」


ユウジはまたさっきのように顔が引きつり、力なくうなだれた。


「そんな目くじら立てることもないでしょ?あ、そうだ!だったらいっそのこと付き合いなよ!やっぱその方がいろいろ都合いいし。お似合いだよ?ユウジと早苗ちゃん」

「えー、いやですよ!私たち今日が初対面の赤の他人なんですよ?」