流れ橋

「今のお父さんや家族を、ありのまま受け入れることが大切なんじゃないかな。」

ありのままの受け入れる。わたしにできるかな。考えてみれば、嫌なことやつらいことからいつも目を背けてばかりいた。今だって、そうなのに・・・

「わたしにできるか分からないけど。努力してみる。」わたしは、自信がなかった。けど、それしか自分にできることはないと思った。

「藍子、私も同じだよ。ありのまま受け入れるなんて、簡単なことじゃないよ。でも、私も努力しようと思うんだ。」姉は、そういって、少し笑った。わたしもつられて笑ってしまった。
何ごとも、前向きに考えることが大切だもの。わたしは、日頃うるさくいう姉を、煩わしく思ったこともあったが、ここに連れて来てくれたことやいろんな話をしてくれたことに感謝した。また、そんな姉の考えにとても共感を覚えて、新鮮だった。

そんなとき、突然姉は、何かを思い出したようだ。窓の外を指さして話し出した。