家につく頃には、汗だくになっていた。


天神橋駅から、チャリンコで20分。


わたしは、ノンストップだった。

また、新しい記録を作った。

家に入る前、犬小屋を覗いてみる。

蘭がいない。うちの飼い犬だ。

きっと、隣の鈴木さんのお姉さんが

散歩に連れていってくれたのだ。

うちの蘭を可愛がってくれる優しい人。

散歩は、鈴木のお姉さんとわたしの役目だった。

わたしは、あまり役目を果たせてなかった。
ごめんなさい(泣)

家に入ると、冷蔵庫に直行する。

オチャ、お茶。

ゴク、ゴク、ゴク。

あぁー、落ち着いた!
ふと見ると、父がテレビを見ていた。

土曜日の夕方、よくある風景なのかもしれない・・

しかし、わたしの家では、毎日の光景だった
父は、毎日家にいた。
毎日、テレビを見ている。

わたしにも、気付いていないようだ。

あの人は、会社に行っていない。

毎日何してるかというと、主夫してるわけもなく、

テレビの前にぼぉーっと、座ってるだけだった。

ごはんもあまり食べず、お風呂もあんまり入ってなかった。

お父さんは、変わった・・・

お母さんは、お父さんがうつ病という病気に
かかっていると言った。

「お父さんには、お休みが必要なの。たくさん疲れているから。わかった?」

お母さんは、そういうけど、

わたしには、お母さんも疲れているように見えた。

お父さんが会社に行かなくなって、

お母さんは、働きに出た。

「ずっと、主婦してたから仕事が見つからない」

お母さんがため息と一緒にいってた言葉。