「うん。本当は、捨てようと思ったんだけどね、できなかったから、押し入れの奥に封印したんだ。」わたしは、いった。
「俺は、有川に、もう一度さ、卒業アルバムみてほしいんだ。だから、ここでは言わない。上田のやったこと、また思い出させることになるけど、勇気を持ってほしいんだ。」田中くんは、静かにいった。
「俺の寄せ書きを見ても、有川の心の傷を癒すことも有川を劇的に変えることも、できないのは分かってる。
分かってるけど、あの時の俺の気持ちを知ってもらいたいと思ってるんだ。」そういいながら、川のすぐそばに咲いている花を摘んで、川に流した。
わたしは、流されていく花を、ただじっとながめていた。
あの時の田中くんの気持ち、か。わたしは、卒業式のことを思い出していた。
あの時、田中くんつらそうな顔して、わたしに卒業アルバム渡していたっけな。 まだ、はっきりと覚えてる。
「いいよ。封印、解くよ。後で、メールする。」わたしは、言った。
「俺は、有川に、もう一度さ、卒業アルバムみてほしいんだ。だから、ここでは言わない。上田のやったこと、また思い出させることになるけど、勇気を持ってほしいんだ。」田中くんは、静かにいった。
「俺の寄せ書きを見ても、有川の心の傷を癒すことも有川を劇的に変えることも、できないのは分かってる。
分かってるけど、あの時の俺の気持ちを知ってもらいたいと思ってるんだ。」そういいながら、川のすぐそばに咲いている花を摘んで、川に流した。
わたしは、流されていく花を、ただじっとながめていた。
あの時の田中くんの気持ち、か。わたしは、卒業式のことを思い出していた。
あの時、田中くんつらそうな顔して、わたしに卒業アルバム渡していたっけな。 まだ、はっきりと覚えてる。
「いいよ。封印、解くよ。後で、メールする。」わたしは、言った。

