そして、ベンチに座りなおして、わたしは、上田にいった。「正直いって、卒業アルバムのことは、本当にショックだった。だって、それまでわたし、上田くんのこと、実はけっこういいなって思ってたんだから。あの後ずっと、すごく傷ついたんだよ。」
上田は、申し訳なさそうに髪を触っている。
わたしは、微笑みながら彼にいった。
「でも、もういいんだ。君に、こうして謝ってもらえたし。でもさ、最低なのは、やっぱりわたしだよ。わたし、今日は、浮かれてた。夢の中にいるんじゃないかって、思うくらい楽しんでた。家族が、病気で苦しんでいるのに。これは、天罰だよ。」
上田は、黙ったまま聞いている。そして、首を激しく横に振った。
「違うだろ。そうじゃない。」上田は、言った。
「有川は、いつもずっと、家族のこと気にかけてていたんだろ。そのことを俊は、よく知ってたんだな。だから、有川をここに連れて来たんだよ。少しでも、元気になってほしくてさ。」
上田は、申し訳なさそうに髪を触っている。
わたしは、微笑みながら彼にいった。
「でも、もういいんだ。君に、こうして謝ってもらえたし。でもさ、最低なのは、やっぱりわたしだよ。わたし、今日は、浮かれてた。夢の中にいるんじゃないかって、思うくらい楽しんでた。家族が、病気で苦しんでいるのに。これは、天罰だよ。」
上田は、黙ったまま聞いている。そして、首を激しく横に振った。
「違うだろ。そうじゃない。」上田は、言った。
「有川は、いつもずっと、家族のこと気にかけてていたんだろ。そのことを俊は、よく知ってたんだな。だから、有川をここに連れて来たんだよ。少しでも、元気になってほしくてさ。」

