流れ橋

「ごめん。そんなこというつもりなかったんだけどな。」上田は、言った。

「いいの、気にしないで。」わたしは、言った。

「有川、大丈夫か?顔色がよくないけど。」田中くんが、心配そうな顔をしていた。

「わたしは、大丈夫。ところで、朋子達は、どこにいるか知ってる?」わたしは、余計な心配をかけたくなかった。

「分かんない。それが、さっきから携帯かけてるんだけど、つながらなくてさ。メールも返ってこないし。」そういって、ため息をついている。

「帰り、朋子の親戚の家で待ち合わせしてるんだ。どうしよう。」わたしは、考え込んでしまった。

このまま、座って待っているのもダルかった。

「帰り、俺が送っていくよ。山下に、今からメールして伝えて。」田中くんが、言った。
「わたし、」次の言葉を続けようとしたら、それを田中くんが遮った。

「何も心配するなよ。大丈夫だから。ちょっと、ここで待ってて。チャリとって来るから。」