流れ橋

吐きたいだけ、吐くと何だか気分がすっきりしていた。

わたしは、洗面所で、顔を洗うと、鏡を見た。
目が赤くはれあがり、顔色が極端に悪い。「ヒドイ顔。」わたしは、そういうと力なく洗面所を出ていった。

しばらく、誰とも話をしたくなかったわたしは、バス停のベンチで一人、ぼんやりと時間を過ごしていた。

家路に帰る人の流れもだいぶ少なくなっていた。

時計をみると、夜の10時をまわっている。
明日、数学のテストがあった。帰って、勉強しなくちゃ。わたしは、のろのろと立ち上がった。

すると、「こんなところにいたのか。」見上げると、道の向こう側に、田中くんと上田が立っている。

わたしが、立ち尽くしていると二人が近づいてきた。

「ヒドイ顔。」わたしの顔をみるなり上田は、言った。

「悪かったわね。元からよ。」わたしは、言った。

少し沈黙があった後、三人とも、笑ってしまった。