流れ橋

「朋子、あのね。」
わたしは、思いきって話してみることにした。

「花火大会、先輩誘って行きなよ。そして、その時に告白したらどうかな、チャンスと思うんだけど・・」

朋子は、空から目を離さず、黙っている。

わたしは、続けて話をする。

「わたし、今年は、家族と行こうかな。お父さん、今あんな状態だし、お母さんは、無理だけど、お姉ちゃんは、OKと思う。うん、彼氏いないし。」

わたしは、笑った。

「今の状態、抜け出すチャンスと思うんだけど。」

わたしは、何か気まずい雰囲気を作ってしまったらしい。

朋子は、とうとう空を見ながら固まってしまった。

何秒か、何分たったのか分からなかったが、
沈黙が続いた。

朋子が、やっと空を見るのをやめた。

「そのことで、私も話したいことがあったの・・」

朋子は、急に正座をしはじめた。

緊張が走った。

なぜか、わたしも正座して朋子を見た。

「実は、昨日先輩からメールが来たんだ。ちょっと、読んでみて。」
そう言って、彼女は、携帯を机に置いた。

わたしは、何だか嫌な予感がしたので、携帯を見るのが怖かった。

しばらく、じっと見ていたら、

「藍子、はやく見て!」
朋子が急かした。