流れ橋

わたしが、驚いていうと、

「何だ、二人とも同じこと考えていたんだ。なら、何で今までこんなに、時間がかかるんだろうな。」と田中くんが、首をかしげている。

「わたしも。ずっと、不思議に思ってた。」わたしは、いった。

お互いに、顔を見合わせて笑ってしまった。
先輩と朋子。両思いなのに、お互い気持ちを伝えるのにこんなに時間がかかるなんて。恋愛って、ホントに難しい。わたしは、ひとり考えていた。

でも、今度こそ上手くいくようにと、わたしは祈った。

「あのさ、有川は、今年の夏休み、バイトするんだろ。さっき、言ってた店でさ。」田中くんは、ジュースをかぶ飲みしながらいった。

「そうなんだ。和食屋さんでね、お姉ちゃんの紹介でするんだよ。」わたしは、いった。
「そのことなんだけど、実はさ、偶然俺もその和食屋で、夏休みバイトするんだ。」田中くんは、恥ずかしそうに地面を見つめたまま話をした。