流れ橋

「お、いたいた。遅くなってゴメン。」先輩が、両手にゴザを抱え込み、薄暗いところから姿を現した。

ボートにいる女の人のことが気になったがわたしは、目を離した。田中くんも、両手にゴザを持っている。

「たくさん余ってたみたいだったよ。」そういって、男性2人は、わたし達が場所取りしていたところに、テキパキと、ゴザをひいてくれた。

「これだけ広いと、仰向けになって花火が見れるよ。」わたしがいった。

すると、「あ、それ、いいね。僕もそうしようかな。」と田中くんがいった。

そろそろ、時間だった。わたし達は、みんな仰向けに横になって、夜空を見つめた。

真っ暗な闇に、星が瞬いている。

「贅沢な見方だね。こりゃ。」朋子がいった。

わたしは、隣にいる朋子に「ホントだ。ちょっと、こわいよ。」といった。

「大丈夫。ここからだと花火は、危なくないから。」田中くんがいった。