お月様がどれほどこの空にいたのか分らなかった。分かるのはずっとずっと、朝日が上るまでお星様といたという事だ。

 確かあの日、俺は久し振りに母様と一緒に寝れる嬉しさで、中々寝付けなかったんだと思う。

 お母様は伯爵家頭主夫人で、グローヴァー家が持っている土地管理を、父様と共にやらなければならない。だから、毎日沢山の仕事が母様を待っていた。お陰で、俺に構う時間なんてなかった。

 でも母様は時間を見つけては俺と遊んでくれたり、こうやって一緒に寝てくれたりする。仕事だけを頑張る父様とは全然違う。

 父様がいなくても、俺は寂しくなんかなかった。母様がいれる時間にはいつもいてくれるし、側にはイオンがいてくれる。だから寂しくなんかないよ。

 俺がそう暗示を駆けていた時だった。

 ひゅっという風の音が窓の方から聞こえた。俺はその音を聞き逃さなかった。だって何か気になるんだもの。いつも窓から聞こえる音とは違った。この音の波動から、何か尋常ではないものが聞こえる。

 俺はその音を理由に、ベッドから起き上がろうとした。