ADULT CHILDREN

「そうかもね」


コウが落ち着いたトーンで答えるから少し恥ずかしかった。



それからも色んな話をした。
コウと話していると話が尽きない。


日も暮れだした頃、コウが急に私の手を取った。


「そろそろ帰るか？」


「うん！」



手を引かれ、立ち上がってバス停に向かう。


コウの少し後ろを歩いていると
コウは私の手を自然と取り繋いで、歩幅を合わして歩いてくれた。



バス停に着くと落ち着く間もなくすぐにバスが来て
別れを惜しむ事も出来ないままバスに乗りこんだ。



窓際の席に座って窓を開けるとコウは電話するねと軽く手を挙げた。


私が頷いたと同時にバスが発車の合図をするとコウは少し離れて手を振る。


窓を閉めて笑顔でコウに手を振った。