眼鏡をかけていなかった私は式中、ぼやけて見える写真を見て誰の葬儀に出ているんだろうって思う時があった。



しかし目を細めて飾られているのは祖母の写真だと確認すると「ああ。ばあちゃんのお葬式なんだ」とすぐに現実に連れ戻されるのだった。




葬儀が終わると葬儀場から少し離れた火葬場に車で各自向かった。




火葬場に着いて2時間が経ち、祖母の変わり果てた姿を見た。



もう祖母だとはわからなかった。



ただの白い物になってしまった。


長い骨箸を使い、祖母の骨をお骨入れに入れた。




祖母はもう完全にこの世界から消えてしまった。