窓の外側にある人影に一瞬体をびくんと震わせた後、気持ちを落ち着かせもう一度確かめるとそこにはさっきまで下にいたはずの元彼が立っている。

彼はどうやって上ってきたのか踊り場に立っていた。


窓越しにいる彼と目が合ってしまった私は窓を開けざるを得なかった。


「寝てた?」


パジャマ姿の私に彼は笑顔で聞く。


「起きてたけど……どうしたの?」


彼の顔を上手く見れない私は視線を逸らした。

考えてみれば付き合っていた期間が短すぎた事もあって
こんなに近くで、
二人っきりの空間で話すのは初めてだった。



「あ、えっとさ部屋の電気ついてたから…」


たった今思い付いたような言い方。


「…それだけ?」


正直あまり話したくなかった。あんなフラれ方をしたのだから。


しばらく会話がなくて、なんとも言えない空気が流れた。


もういいかな?


口を開きかけた時だった。